クリプト業界は早期参入が稼ぎ時。
でも新しいプロジェクトはリスクも大きすぎるし初心者には見分けが付かない。。
この記事ではDeFiやGameFiなどのプロジェクトが怪しいか?それとも今後伸びていくのか?
そのプロジェクトのエコシステム(構造・構成)「トークノミクス」から判断する方法、見方を解説します。
この記事でわかること
- トークノミクスの分析の仕方がわかる
- 怪しいトークン(草コイン)を見分けられるようになる
- トークンの適正価格を計算できるようになる
クリプト(特にアバランチ)の発信をしているインフルエンサー @RoiSarak さんのYoutubeから
DeFi勉強会を参考にしています。
トークノミクスとは?
トークン×エコノミクス(経済学)=トークノミクス
- トークンはいくつ存在するか
- トークンの発行上限
- トークンは誰が発行するのか、その割り当てはどうなるか
などがわかり、将来の供給量から希少性を判断することができたり、
インフレトークンやデフレトークンがわかったりします。
トークノミクスを理解するとプロジェクトを正当に評価できるようになり、
暗号資産への投資活動にプラスの影響をもたらすはずです。
トークノミクスの見方4ステップ
ステップ1:トークンの発行上限を見る
トークンには様々な種類がありますが、そのトークンの現在の値段だけ見て判断するのはただのギャンブルです。
トークンの発行上限を見ないと価値をはかることはできません。
CoinGeckoの時価総額ランキングトップ10を見てみますが、1位のBitcoinと8位のCardano価格差すごいですよね?
Cardanoやっす!
ビットコインみたいに価格が上がるかもしれないから安いうちに買っておいたほうがいい?
こういう思考は危険です。
ビットコインの価格がここまで高いのには理由があり、
ビットコインのMax Supply(発行上限)を見ると2100万枚です。
世界に2100万枚しかなくさらにこれ以上増えることがないのであれば当然価値はどんどん上がりますね。
それに比べてCardanoは450億枚ですw
発行枚数を少なくして値段をつり上げて見せたり、逆に多くして値段を安く見せたりしているわけですね。
じゃあ発行枚数は何枚くらいがちょうどいいのか?
発行上限が1億枚を切るとだいぶ少なく、10億枚以上になると多い。
イーサリアムとかソラナは発行上限ないけどアカンの?
ビットコインみたいに上限があるほうが価格は上がりやすいですが、
イーサリアムやソラナは発行上限がないかわりに価格があがる仕組みでカバーしています。
さらに、たとえ発行上限があってもインフレ率が高いと価値は低くなります。
ステップ2:発行量と排出スケジュールからインフレチェック
トークンが発行される最初期はインフレ率がどうしても高くなります。
ビットコインも初期の頃はどんどんトークンを発行するので価値が低く、
10年かけて発行量を減らしいき今の価値まで上がってきたわけです。
2010年5月22日に1万BTCでピザを買った人がいて、今の価格で言うと370億円以上ですw ビットコインピザデー
インフレ率は初期の流通量と排出スケジュールから決められます。
そこで活躍するのがMessari.io
すべての仮想通貨の流通量や排出スケジュールを見ることができてとても優秀なサイト
アバランチのSupply Schedule
アバランチはまだ新興チェーンで若いので2022年5月はトークンをどんどん発行段階でインフレ中。
発行上限になる2027年に向かってカーブが緩やかになっていきますね。
トークンの発行量がどんどん増える初期(カーブがきつい)ほどインフレ率が高く、カーブが緩やかになるほど価格は安定していく。
ソラナのSupply Schedule
カーブというかでっかい壁じゃん!?
ソラナは2020年の12月から流通量がいきなり5倍になっていますw
つまり価格は5分の1になりますね。
その時ソラナのトークンを100万円分持っていたら、急に20万円になってしまう。
なのでみんなが売りまくるが、その時買った人は壁を乗り越えたあとに大儲けしているわけです。
一発勝負に出て、今は安定している状態になっているソラナのやり方も面白いですね。
ステップ3:トークンのバーンされる量でインフレチェック
トークンを発行している段階がインフレ率が高くて、
上限に近づくにつれて安定していく。というのはわかった。
ただ、イーサリアムやソラナは発行上限がないのにインフレ率が高くないのはなぜ?
確かに、じゃぶじゃぶトークンを発行するとインフレし放題ですよね?
そこで、トークンの用途・どれだけバーン(焼却)しているかも重要なチェックポイントです。
イーサリアムのインフレ率
Messariからインフレ率をチェックすることができます。
Ethereum→Metrics→Supply→Inflation Rateでインフレ率をチェックできます。
ちなみに2022の米ドルのインフレ率は7.68%でした。
イーサリアムのインフレ率は1年を通して0.54%と非常に低いですね。
なぜ低いのか?それはイーサリアムはめちゃめちゃ使われているから。
使われいる分インフレが抑制されているわけです。
cryptofees.infoからブロックチェーンごとにどれだけ手数料が払われてるかがわかります。
1日に使われいる量(ガス代)が7億6千万円以上。この中の一部がバーンされている。
イーサリアムはそれだけ供給量が減らされてインフレが抑制されていることがわかります。
ソラナのインフレ率
ソラナも発行上限がないのでインフレをどうやって抑えるのかが気になりますよね?
現段階でソラナのインフレ率は8.43%。米ドルよりもすこし高いインフレ率です。
ソラナは毎年ステーキング報酬が下がっていく設計になっています。
毎年15%ずつインフレ率がさがり、最終的にはインフレ率が1.5%で落ち着く予定です。
アバランチのインフレ率
26.11%!?
高すぎィ!!
ぱっと見、高すぎるように見えますが、Messariのインフレ率の計算は12ヶ月分の平均値で計算されています。
アバランチはまだまだ若いチェーンなので最初期のじゃぶじゃぶトークン発行時期も計算に含まれているわけです。
ステップ4:トークンの割り当てをチェックする
各プロジェクトのホワイトペーパーにはトークンの割当・割合を示す円グラフがあります。
円グラフから「ユーザーに還元される割合」と「チームに入る割合」でチェック。
成功しているプロジェクトはだいたい半分以上はユーザー(利用者)に還元される設計になっていて、
チームに還元される量が多いのはいわゆるインサイダーの割合が多い=価格変動が大きくなります。
アバランチのDEX、Trader Joeのトークノミクスを見てみます。
- Liquidity Providers 50% = ステーキング報酬など、ユーザーに還元する量
- Team 20% = チームが保有する量
- Treasury 20% = イベントなどで使うチームの財布
- Potential Strategic Investors 10% = 投資家が保有する量?
Trader Joeはチーム保有とユーザー還元が半々という感じですね。
チームが保有する量が多いと、なにかあった時にチームが一気にトークンを売り暴落する可能性があるわけです。
上記はTrader Joeというプロジェクトのトークノミクスでしたが、
ブロックチェーンごとにもトークノミクスがあります。
下記ツイート参照
Private Sale(インサイダー) | Public Sale | Founders(インサイダー) | Ecosystem | |
Avalanche | 6% | 10% | 19% | 65% |
Solana | 16% | 11% | 25% | 38% |
NEAR | 13% | 15% | 26% | 46% |
Matic | 4% | 19% | 42% | 35% |
Fantom | 39% | 2% | 25% | 35% |
ICP | 45% | 5% | 44% | 0.2% |
ICPほぼインサイダーじゃん!?
ステーキングなどユーザーに還元されるトークンの発行はEcosystemから出てきます。
Ecosystemにしっかり割当があるチェーンであれば、ステーキング報酬などが割当分から出るので
トークンを新しく刷る必要がなく発行上限を超える心配がないのに対して、
ICPはそのEcosystemが0.2%しかないので、発行上限を超えてもガンガントークンが発行される可能性があり
そうなるとインフレが止まらない状態になります。
ちなみにICPだけMessariにもインフレ率が記載されていません。Twitterで独自計算した人いわく1ヶ月で6.8%らしい。
古い順にトークノミクスが悪く、アバランチなどの若いチェーンは改善されていて当然。ICP自体が悪いというわけではない。
適正価格の予想方法
トークノミクスを見れるようになると
トークノミクスからサービスの時価総額を予想することができます。
計算式は
「現在のTVL(流通量)」×「0.1(DeFiの平均的なMcap/TVL Ratio)」÷「現在の発行枚数」
ちなみにMcap/TVL Ratioは時価総額を流通量で割った数値で、高いか低いかで実需がわかります。
各ブロックチェーンのMcap/TVLはDefi Llamaから確認することができます。
BNBのMcap/TVL、5.86倍?
実際に利用されてるTVLに対してオーバープライスだよね
BNBはこれからトークンがバーンされていき価値が上がっていく設計になっています。
デフレ型でこれからトークンが減っていく設計なのでそれを加味した数値になっているというわけですね。
Starlay Financeで実際に計算
DeFiサービスごとのMcap/TVLはCoinGeckoから確認できます。
基本的なDeFiサービスのMcap/TVLの平均値はだいたい0.1くらい。
上記をふまえた上でAstarのDeFiである「Starlay Finance」の現在の適正価格を実際に計算してみます。
再度計算式
「現在のTVL(流通量)」×「0.1(DeFiの平均的なMcap/TVL Ratio)」÷「現在の発行枚数」
Defi LlamaでStarlay FinanceのTVLを確認すると26.81m。
26.81m(現在の流通量)×0.1(Mcap/TVL)=2.68m
この数字を現在の発行枚数でわります。
ちなみにLAYトークンの発行上限は10億枚、現在の発行量は1/10くらいだとして1億枚で計算します。
2,680,000÷100,000,000=0.026
1LAY=$0.026くらいが適正価格なのではないか?と予想がつきました。
トークンのロックがあるDeFiでも変わってくる
基本的なDeFiサービスのMcap/TVLは0.1くらいといいましたが、
DeFi KingdomsやOsmosisなど
ロックがかかり簡単に売られない仕組みになっているサービスは数値が高くなります。
マーケットキャップと言いながら、マーケットに流通しないものがあるのでその分高い数値になります。
こういったサービスは
Mcap/TVLは1.5くらいで計算します。
まとめ
トークノミクスを勉強するとプロジェクトを正当に評価できるので
気になったプロジェクトがあると自分で良いか悪いかを判断できるようになり
そのサービスがバズる前から早期に参入できるようになります。
もちろん良いトークノミクスだからと言って確実に成功するサービスになるとは限らないですが、
成功しているサービスは良いトークノミクスになっています。
ホワイトペーパー、確認していきましょう!